中には返済を求めて訴訟を起こす業者もいる

債務整理を行う際は、和解にしても裁判所の決定にしても、手続きに時間がかかることはやむを得ません。

これから任意整理をすると仮定しても、法務事務所や法律事務所などに依頼し、最終的な結果(和解、免責決定など)に至るプロセスとしては、最低でも2か月ほどは必要で、場合によって半年かそれ以上かかることもあります。

また、この期間中は債権者は督促や連絡はしてこないのですが、中には禁止されている取立ての代わりに返済を求めて訴訟を起こす業者もいるようです。

債務の返済に行き詰まり、いよいよ個人再生や任意整理といった事態になると、借家、賃貸マンションといった住宅に住み続けるなら、家賃やそれに付随する更新料なども考えておく必要があります。

つまり、債務整理後に残った返済とともに、毎月出ていく出費としては大きい方ですから、計算し忘れたで済むものではありません。

それは必要な経費ですから、債務整理の相談に訪れた段階で担当する司法書士や弁護士に伝えておきましょう。

着手金を支払って債務整理の依頼をしたのは良いものの、手続きが思うように進まず弁護士や司法書士への依頼をやめて別のところへ頼みたい場合は、「解任」ということになります。

それを省いてよその弁護士事務所などに別途依頼すると、受任通知の二重送付にもなり、思いがけないトラブルに発展する可能性があります。

元々依頼した法務事務所との契約はきちんと解約して、別の依頼先と契約するようにしましょう。

給料が差押えされている時に債務整理をして、対象に差押え元の債権者が含まれていると、手続きを開始した時点で差押えは解除となります。

ただ、残念ながら任意整理については強制執行(差押え)を止めるという決まりはないので、差し押さえられた状態が続きます。

和解の早期成立のために弁護士などに交渉を急いでもらい、差し押さえ解除に持ち込まないと日々の生活にも困るようになります。

ときには借金の減額だけでなく、帳消しすらあり得る債務整理ですが、生活は楽になる一方で、個人再生と自己破産については裁判所を通す以上、官報の裁判所欄(破産、免責、再生関係)に名前や住所が掲載されてしまいます。

普段から官報に目を通している人はごく少数なので、気にすることもないといえばそうですが、官報は長期にわたって保管され、紙媒体以外にネットでも一般に公開されています。

後悔しても遅いですから、債務整理をするにあたってはそれなりに腹をくくる必要があります。

債務整理を行うときの対象として銀行が含まれていると、本人名義の口座がそこにあれば凍結されると思って間違いありません。

なぜかというと、預金があれば少しでも借金の返済に回せるからです。

ただし、資産を失うかわりに債務が免責になる自己破産などの場合は、最大20万円までの預金については本人のものとして残すことができ、それより残高が多い場合だけ返済に充当されるのです。

債権者による返済の催促や取立てが行われている状態で自己破産、個人再生、任意整理などの債務整理を行った場合、司法書士や弁護士によって債権者あてに債務整理の介入通知書が送られた時点で、督促はおろか単なる連絡行為なども禁止となります。

もし督促や連絡などがあれば違法行為ですので、ただちに担当弁護士(司法書士)に連絡して対処してもらいましょう。

自身が対応する必要はないですし、何かしようと思ってはいけません。

任意整理や個人再生の手続きを踏むには継続した収入があるのが前提ですが、生活保護費を受給している場合はここでいう「収入」には含まれません。

生活保護で支給されるお金は借金返済に充当すべきではないという考え方があり、生活に充てず借金を返すために使ってしまったら、保護費支給の取りやめということも現実としてあるわけです。

ですから生活保護を受給している期間内に債務整理を行うなら、選択肢は自己破産のみと思っておいてください。

混同している人も多いので説明しますと、弁護士以外に、債務整理は認定司法書士なら取扱い可能です。

しかし弁護士と違い、140万円以内の債務でなければ対応できないので、手続きを開始した時点で遅延損害金等を含めた額が140万円を超えてしまうと、法律上、司法書士の身分では手続きに携わることはできません。

そんな事態に陥らないよう、司法書士に債務整理の依頼を出す場合は債務額の把握というのが不可欠です。

原則的に相談は無料でも、司法書士や弁護士を頼んで債務整理を始めるためには、手始めに着手金を払わなければなりません。

額に関する規定は特にありませんから、事務所によって違います。

それと、裁判所の管轄である自己破産と個人再生では、処理が終わったあとの成功報酬も最初から確定していることが多いのですが、その一方で、任意整理の場合は減額の度合いによって成功報酬の金額もかなり変化します。